日本日時の2025年11月19日、googleよりGeminiの新バージョン「Gemini 3」と、開発者向けのプラットフォームである「Google Antigravity」がリリースされました。
「Google Antigravity」とは、Googleが開発したAIエージェント中心の新しいソフトウェア開発プラットフォーム（IDE）。AIエージェント機能を活用することで、AI都チャット形式で開発できる「バイブコーディング」が可能です。
Google Antigravityの注目すべき点として、Gemini 3を利用できることや、開発環境全体を操作できるのが魅力。機能性・デザイン性のいずれも高く、高品質なゲームやツールを開発できるとのことで話題となっています。
本記事ではGoogle Antigravityの特徴やできること、具体的なインストール方法から使い方まで詳しく解説します。
Google Antigravityの核となる「エージェントの自律実行」
Antigravityの核となるのは「エージェント・マネージャー」と「AIエージェント」の連携です。
- 開発者の指示（プロンプト）: 開発者は、「ユーザー認証機能に二段階認証を追加する」など、具体的な目標を自然言語で指示します。
- エージェント・マネージャーの役割:
- 目標を達成するために必要な一連のタスクに分解します（例: UIの変更、バックエンドAPIの修正、データベーススキーマの更新、テストの実施）。
- それぞれのタスクに最適なAIエージェントを割り当て、同時に実行させます（並列処理）。
- AIエージェントの役割:
- 割り当てられたタスクに基づき、**詳細な実装計画（Plan）**を立てます。
- 計画に従ってコード編集、環境設定、外部ツールの操作など、必要なアクションを実行します。
Google Antigravityの各種機能
Google Antigravityの機能は以下のとおりです。
- 自律的な目標達成機能
- マルチモーダルな操作能力
- 信頼性と可視性の確保
自律的な目標達成機能
AIエージェントが、ユーザーの指示を達成するために必要な作業を自己判断で実行します。
- 計画（Planning）: 開発者に「実装計画書」として提示し、承認を得てから作業を開始します。
- コード生成・編集: コードベース全体を理解し、必要な修正や新規コード生成を行います。
- デバッグ・検証（Debugging & Verification）: エラーが発生した場合、それを自力で特定し、修正し、最終的なテストまで実行します。
マルチモーダルな操作能力
従来のコード生成AIとは異なり、Antigravityのエージェントは開発環境全体を操作できます。
- IDE操作: 統合開発環境（VS Codeなど）内のファイルを開き、編集するだけでなく、ターミナルコマンドを実行します。
- ブラウザ操作: ウェブサイトにアクセスし、ログインやボタンのクリック、フォームへの入力など、ユーザーとしての操作を実行して機能のテストや検証を行います。
- 外部API連携: 外部サービスとのAPI連携設定や、必要なライブラリのインストールも自律的に行えます。
信頼性と可視性の確保
AIが勝手に作業を進めることによる不安を取り除くため、作業内容をすべて記録・公開します。
- 実装計画書: エージェントが立てた作業手順。
- コードの差分（Diffs）: 実際に変更されたコードの箇所。
- 検証時のスクリーンショット: テストが成功した/失敗した時の画面キャプチャ。
これにより、開発者はAIの作業を透明性の高い状態で監督・監査でき、信頼性の高い開発を維持できます。
Google Antigravityを使うことで、開発者は創造的な問題解決や新しいアイデアに集中できるようになります。
日々のルーティン作業はAIエージェントに任せられるようになり、新しい開発のパラダイム（枠組み）を提供するツールとして注目を集めています。
Google Antigravityの料金プラン｜無料で利用できる
Google Antigravityは現在、個人向けのプランのみPublic preview版として無料で提供されています。具体的な料金プランは以下のとおりです。
| プラン名 | 月額料金 | 対象・特徴 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 【提供中】個人向けプラン（Public preview） | 無料 | Googleアカウントで即利用開始できるお試しプラン | ・Gemini 3 ProやClaude Sonnet 4.5、GPT-OSS などのエージェントモデルにアクセス可能 ・タブ補完：無制限 ・コマンド実行：回数無制限 ・比較的ゆとりのあるレート制限（※詳細は公式の案内待ち） |
| チームプラン（近日公開予定） | 未定 | 少人数のチーム・組織向け。セルフサービスで導入可能 | ・小規模チーム向けの専用プランを想定 ・詳細は今後発表予定 ・開始時に通知を受け取れる |
| エンタープライズプラン（近日公開予定） | 未定 | Google Cloud経由で導入する企業向け。フルサポート付き | ・本格的な企業利用を前提としたプラン ・Google Cloudとの契約形態に対応 ・エンタープライズサポートが提供予定 ・提供開始通知の登録が可能 |
IndividualプランではGoogle・OpenAI・Anthropic の主要モデルを利用できるのが特徴。タブ補完やコマンドリクエストが回数制限なしで使えると明記されています。
また、公開プレビューの期間中は 「寛容なレート制限」 が設定されており、通常のAIサービスよりも広い範囲でAPIやエージェント機能をテストできます。
ただし、Teamプラン・Enterpriseプランの詳細や正式な料金はまだ発表されておらず、将来的に有料化や利用制限が導入される可能性もあります。
そのため、今はGoogle Antigravityを「無料で試せるチャンスの期間」と考えるのが妥当です。
参考：Google Antigravity「Choose the perfect plan for your journey」https://antigravity.google/pricing
Google Antigravityの使い方
Google Antigravityの使い方を以下の手順で紹介します。
- Google AntigravityをPCへダウンロードする
- Google Antigravityの初期設定（日本語化や各機能を紹介）
- Google Antigravityを使ってWebサイトを作ってみよう
Google AntigravityをPCへダウンロードする
はじめに、Google Antigravityの公式ページへアクセスします。
Google Antigravity：https://antigravity.google
トップ画面の中央と右上に「Download」というボタンがあるので、こちらをクリックします。
すると、ダウンロードできるOSの種類が表示されます。自分が使っている環境に合わせてダウンロードしてください。
ちなみに私はWindowsを使っているので「Download for x64」をクリックしてダウンロードしました!!
PCのダウンロードフォルダ内に「Antigravity.exe」というアイコンが表示されているはずなので、こちらをクリックします。
Antigravityのセットアップ画面が表示されるので「同意する」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
「インストール準備完了」画面まで進めたら「インストール」をクリックします。
セットアップ完了画面が表示されたあと、このまま初期設定を続ける場合は「Antigravityを実行する」にチェックを入れて「完了」をクリックしましょう。
Google Antigravityの初期設定
インストールが完了したら上記の画面が立ち上がります。
この画面では、前に使ってたIDEの情報を引き継ぐか選択します。もし、VS CodeやCursorなどのテキストエディタを初めて使うなら「Start fresh」でOKです。
Google Antigravityの画面タイプを選ぶ画面です。任意のデザインを選んで「Next」をクリックしましょう。
この画面は 「Antigravity Agent（AIエージェント）をどのように使うか？」を設定するステップです。いわば「開発にAIをどこまで介入させるか」を決めるモード選択です。
各モードごとの内容は以下のとおりです。
| モード名 | どんな動き？ | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| Agent-driven development | AIがほぼ自動でコードを書き進める | ・AIに任せたい人 ・自動生成メイン |
| Agent-assisted development（推奨） | 自分が主導。AIにサポートさせる | AIと自分でバランスよく使いたい人 |
| Review-driven development | 自分がコードを書き、AIがレビューだけする | ・手動で書きたい人 ・コーディングに自信ありの人 |
| Custom configuration | APIや制限を細かく設定できる | 上級者／企業利用向け |
特にこだわりがない方は、Google Antigravityが推奨している「Agent-assisted development」を選択。ほかの設定もそのままの状態で「Next」をクリックしましょう。
Google Antigravityのキーボード操作やAI補助の自動インストールなどを設定する画面です。
各項目ごとの内容は以下のとおりです。
| 項目名 | 選択肢 | 推奨 / 備考 | 何を意味する？ |
|---|---|---|---|
| Keybindings | Normal / Vim | Normal 推奨 | キーボード操作の方式。VS Codeと同じならNormal。Vimは上級者向け。 |
| Extensions | Install 7 Extensions（チェックONがおすすめ） | ON 推奨 | よく使う言語やAI補助の拡張機能を自動インストール。後から追加も可能。 |
| Command Line | Install（チェックON） | ON 推奨 | agy コマンドでターミナルから起動できるようになる（便利）。 |
特にこだわりがない方は、デフォルトの設定のままで「Next」をクリックしましょう。
Googleアカウントの認証画面が表示されるので、中央のボタンをクリックして認証します。
上記の画面が表示されたらアカウント認証完了です。そのままGoogle Antigravityの画面に戻りましょう。
すると、おそらくまだこの画面のまま変わらない可能性があります。
私の時は変わらなかったので、何度かGoogleアカウント認証をやりました。
しばらくすると、上記のように「Setting Up Your Account」という画面が表示されます。この画面が表示されるまでしばらく待つ方法が有効かもしれません。
Antigravityの利用規約（Terms of Use）に同意する画面が表示されるんので、内容を読んだ後に問題なければチェックボックスをクリックして「Next」をクリックします。
利用規約に同意するとGoogle Antigravityの操作画面が表示されます。
ここまで来ればAntigravityの初期設定は完了です!!
Google Antigravityの言語を日本語に変更する
Google Antigravityの初期状態は、言語が「英語」に設定されています。これを「日本語」に変更する方法は以下のとおりです。
- 左のメニュー欄から拡張機能のアイコンをクリック
- 上部の検索欄に「Japanese」と入力
- 表示内容から「Jaoanese Language… 」という拡張機能の「Install」をクリック
- Google Antigravityを再起動する
上記の手順で進めることで、表記内容を日本語化できます。
Google Antigravityの回答を日本語化する方法
Google Antigravityのエージェント機能は、初期状態だと英語で回答してきます。これを日本語にする方法を解説します。
はじめに、エージェント欄の右上にある「・・・」をクリック。表示内容から「Customizations」をクリックします。
Customizations欄の下部にある「＋Global」をクリックしましょう。このGlobalに指定した内容が、Google Antigravityの全機能に反映されます。
中央に「Gemini.md」という画面が表示されるので、ここに「1.日本語で回答してください」
と入力し「Ctrl ＋S」のショートカットキーで保存します。
最後に、「Rules」の横にある丸いアイコンをクリックし、下部に先ほど書いた指示が表示されていれば設定完了です。
これで、Google Antigravityのエージェント機能による回答を日本語化できます。
Google Antigravityの拡張機能を導入するのがおすすめ
Googleの拡張機能「Antigravity Browser Extension」は、Antigravity Agent がWebサイトへアクセスできるようにするための拡張機能です。
この拡張機能を導入することにより、Google Antigravityで生成したWebサイトやツールなどをその場でブラウザ表示できるのが魅力です。
Antigravity Browser Extensionを導入することで、上記のように開発中の内容をブラウザで同時に確認できます。
Antigravity Browser Extensionの導入手順は以下のとおりです。
Antigravity Browser Extensionの公式ページへアクセスすると、上記の画面が表示されます。
「Chromeに追加」をクリックしましょう。
「拡張機能を追加」をクリックして完了です。
Google AntigravityでAIと一緒にWebサイトを作ってみた
実際にGoogle Antigravityを使って、カフェのWebサイトを作成してみます。
はじめに、Google Antigravityの右側にあるエージェント機能の入力欄に、作りたいWebサイトの特徴を入力・実行します。
今回使うプロンプトは以下のとおりです。
あなたは熟練のWebエンジニア兼UI/UXデザイナーです。
今後、このプロジェクトに関するやり取りはすべて日本語で行ってください。
モダンでクリーンなデザインのカフェWebサイトをフルセットで作成してください。
【目的】
地域の人に愛されるカフェ「Café Luna」の公式サイトを作りたい。
店舗の雰囲気が伝わる柔らかいデザインで、メニュー・アクセス・予約フォームを掲載したい。
【サイトの構成】
- ヒーローセクション（カフェの写真＋キャッチコピー）
- コンセプト紹介（店のこだわり / 写真付き）
- メニュー一覧（ドリンク・フードをカード形式で）
- 店内ギャラリー（写真スライドショー）
- お知らせ・イベント情報（ブログ形式で更新できる設計）
- 予約フォーム（名前・人数・日時・連絡先）
- 店舗情報（地図 / 営業時間 / SNSリンク）
【デザイン要望】
- 落ち着いた雰囲気（ブラウン・ベージュ系）
- モダンなタイポグラフィ
- スマホ対応（レスポンシブデザイン）
- 写真を多く使って“居心地の良さ”を表現
- スクロールに合わせてフェードイン・スライドインなどのアニメーションを適度に使用
【技術要件】
- HTML / CSS / JavaScript で完結させる
- Bootstrap または Tailwind CSS を利用してもよい
- 写真はフリー画像のダミーで構わない
- 予約フォームのデータ処理は疑似でよい（実際のバックエンドは不要）
【納品形式】
- 完成済みの HTML・CSS・JS（1ファイルまたは複数ファイルのどちらでもよい）
- 各セクションの始まりにコメントで簡単な説明を書いておくこと
- 画像URLは仮のリンクでよい
プロンプトを実行すると、以下のようにAI機能が開発作業をスタートします。
しばらくすると、エージェント機能欄に「実装プランを確認ください。」と表示されました。
どうやらこれから作るWebサイトの要件を決めてくれたようです。有能ですね。
表示されている「implementation.plan.md」ファイルの「Open」をクリックすると、中央に作成するWebサイトの設計内容が表示されます。
内容を確認し、問題なければ「Proceed」という青いボタンをクリックします。
その後もAIがコーディング作業を進めてくれます。なお、途中で上記のように操作内容をユーザーに確認してくることもあります。
内容に問題がなければ「Accept」をクリックして進めます。
上記のように英語で答えてくることもあります。その時は「日本語で回答して」と指示しましょう。
作業が進んで完成に近づくと、Googleの拡張機能「Antigravity Browser Extension」によって実際の画面がブラウザ表示されます。
もし「Antigravity Browser Extension」を追加していない場合は
この拡張機能を追加するかどうかの確認画面が表示されるので、任意で進めてください。
「Webサイトが完成しました」と表記されました。
【実際にできたカフェのWebサイト】
このように、Google Antigravityを使うことでAIと相談しながらWebサイトやツールを作成できます。
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