本ニュースの概要
- 営業トレーニング未実施が約半数(49.3%)で、育成環境が整っていない職場が多い
- 対人ロープレは心理的負担が大きく、緊張や恥ずかしさを感じる人が62.3%
- 対人ロープレ実施者の88.4%がAIロープレに前向きですが、実際の利用は3.3%にとどまる
営業職を対象とした調査で、対面でのロールプレイングを経験している人の約9割が、AIを活用したロールプレイングに関心を示していることが分かりました。
一方で、実際にAIを使ったトレーニングを導入している人はごく少数にとどまっています。
この調査では、営業トレーニングの現場における課題や、AI活用に対する期待と不安の両面が浮き彫りになりました。
従来の育成方法が抱える心理的な負担や、練習機会の不足を背景に、営業現場の学び方が変わりつつある可能性も示されています。
こうした結果から、営業人材の育成は今後どのように変化していくのでしょうか。
調査結果の概要
この調査は、ユームテクノロジージャパン株式会社が、20代から50代の営業職300人を対象に実施したものです。同社は営業トレーニングとAI活用の実態を把握するため、意識や課題について尋ねました。

まず、職場で行われている営業トレーニングの内容を見ると、最も多かったのは上司や同僚を相手にした対面でのロールプレイングで、25.7%でした。次いで、座学やeラーニングが21.0%となっています。
一方で、「特にトレーニングは実施していない」と回答した人も49.3%にのぼり、約半数が体系的な育成機会を持っていない状況が明らかになりました。

対面ロールプレイングを行っている人に、その実施に伴う負担を聞いたところ、「緊張や恥ずかしさを感じる」と答えた人は62.3%でした。
また、「相手の時間を取ってしまうことに申し訳なさを感じる」は53.2%、「指摘やダメ出しが苦痛だと感じる」は37.7%となっており、心理的な負担が少なくないことが分かります。

こうした背景の中、対面ロールプレイングを実施している人の88.4%が、「AIによるロールプレイングを利用してみたい」と回答しました。営業トレーニングを日常的に行っている層ほど、AIの活用に前向きな姿勢を示している点が特徴です。

一方で、現時点ですでにAIロールプレイングを利用している人は全体の3.3%にとどまりました。ただし、その利用者の約8割は、自身のスキルアップや職場のトレーニングに対して「特に課題を感じていない」と答えています。

AIロールプレイングをまだ利用していない人に課題を尋ねたところ、「知識は学んだが、実践する場がない」と「研修内容と実際の商談がかけ離れている」がいずれも24.5%でした。また、「評価やフィードバックが上司の感覚に依存しており、納得しづらい」と感じている人も21.4%いました。

AIに求める機能としては「スキルや行動の変化を可視化・数値化する仕組み」が62.1%で最も多く、「学んだ知識をすぐに試せるようなインプットとアウトプットの連動」が55.0%で続きました。
その一方で、導入時の懸念点としては「会話が不自然になりそう」と感じる人が57.1%、「自社特有の商材や状況に対応できるか不安」と答えた人が51.4%となっています。
調査結果から考えられること
今回の調査結果から、営業トレーニングの現場では、学習そのものよりも「安心して練習できる環境」や「納得感のある評価」が求められていると考えられます。対面ロールプレイングは依然として主要な手法であるものの、緊張感や人間関係への配慮が、練習の頻度や質に影響している可能性があります。
また、約半数が営業トレーニング自体を行っていないという結果は、個人の経験や属人的なスキルに依存した育成が多い現状を示しているとも言えそうです。こうした中で、時間や相手を気にせずに練習でき、客観的な指標でスキルを確認できるAIへの期待が高まっていると考えられます。
一方で、AIに対しては会話の自然さや現場特有の事情への対応力に不安を抱く声も多く、導入が一気に進んでいない理由の一端もうかがえます。今後、AI技術がどこまで実践的な営業現場に近づけるかが、営業人材育成のあり方を左右する要素になる可能性があります。
参考資料
PRTimes「【営業トレーニング実態調査】対人ロープレ実施者の約9割がAI活用に意欲」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000187.000086740.html, (参照 2026-02-06).
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